ランボーは、やはり戦場が似合う

ランボー ラスト・ブラッドを観てきました

ネタバレ、あります。

 ランボー ラスト・ブラッド、言わずと知れた、シルベスター・スタローンの代表作。シリーズ第5作目です。スタローン演ずるランボーが、人身売買カルテル組織を相手に、一人で戦うというストーリー。

 ランボーの5作目の撮影が決まったときも、公開が決まったときも、嬉しかったですねぇ。1作目を観た衝撃が忘れられず、その後の作品も全て劇場で観ました。ロッキーシリーズを観ていても同じですが、スタローンも今年で74歳ともなれば、さすがにこのシリーズは最後になるだろう。でも、この年齢でこのシリーズを世に出してくれたことには感謝しかないであろう。

 さて、本題であるが、ランボーが家族を持っているところから始まる。今までの作品にはなかったところである。とはいっても、血がつながっているわけではないけれど・・・。大学に進学する娘がキーポイントとなる。予告編を観て、この娘が、メキシコの人身売買組織に捕まり、それを救い出す展開かと思っていたら、ちょっと違った。ハッピーな展開ではなかったのである。また、ランボーが組織にやられたところを救い出す女性が登場するのであるが、この女性も、警察?FBI?と思ったら、これも違った。いろいろなところで、ハッピーな展開を予想すると、ことごとく裏切られた。

 裏切られなかったところは、やはり戦闘シーン。牧場に作っていた地下壕。ここに犯罪組織の連中をおびき寄せて、一網打尽にする展開。今までの作品と違うのは、闘う場所がジャングルでない点と予め綿密に作戦を立てて、ありとあらゆる罠を仕掛ける点である。以前のシリーズでも、ジャングルに罠を仕掛ける場面はあったが、今回は、爆薬も使い放題だし、追われている身とはちょっと違うので、仕掛けもちょっと違う。

 作品を通して観て、一番感じたのは、やはりランボーは、戦場が一番似合うということだろうか?今回の作品で、人身売買組織と闘うシーンがあるが、やはり、戦場で戦っているのとは、ちょっと違う。今までのランボーの戦場での戦闘シーンでの殺人は、いわば戦場という超法規的な状況であった。今回は、ランボーは純粋に一般市民というシチュエーションである。ここに、素直に観ることが出来ない、何となく引っかかるものがあるのではないかという気がする。そう、軍隊とか武装勢力VS ランボー(米軍のミッション)ではなく、犯罪組織 VS ランボー(一般市民)なのである。ランボーの良き理解者であるトラウトマン大佐も、今回はいない。もっとも、トラウトマン大佐役のリチャード・クレンナは、2003年に73歳で亡くなっている。

 ブルース・ウィルスやアーノルド・シュワルツェネッガーが闘うときは、警察官だとかであって、一般市民ということではない。ここが、ちょっとなぁと思わせてところだろうか。だから尚更、ランボーは戦場が似合うと思えたのかも知れない。

 ラストシーンも、ちょっと意味深な部分があった。戦いで、負傷したランボー。左の腹と右肩に銃弾を受けている。その状態で、戦いが終わったあと、誰もいないところでロッキングチェアーに座っていたのである。大丈夫なのか?と思わせていたところで、最後に、回想シーンのようなそうでないような映像で、ランボーが馬に乗って去っていく後ろ姿が映し出されたのである。
 そう、明らかにシェーンのラストシーンを彷彿とさせるものである。あのシーンでも、シェーンは死んでいるのかどうなのかと、散々話題に登っている。さて、ランボーは、どうなのだろうか・・・?

 スタローンが、日本のテレビ番組のインタビューで、次は、ランボーが生まれてから軍隊に入るまでを作るのもいいかも知れないと言っていた。そう、まるでスター・ウォーズ作品のような順番で。それなら、スタローン自身が演じることもそんなにはないかも知れない。これはありなのかなぁ? ランボーの二代目俳優が見つかれば、これもありかなというきはするけれど・・・。

 アクション映画でなくてもいいから、まだまだスタローンには、スクリーンに残っていてほしい。

『デンジャー・クロース 極限着弾』

 久しぶりの新作公開映画を観に行ってきました。しかも、オーストラリア映画という、記憶の限りでは、初めてではないかと思います。
 たまたま、Twitterか何かで、プロモーション表示されて、何となく気になったので、公式HPなどでも見たところ、タイミング的にも時間取れそうだし、気になるから観に行ってみようと決断した次第です。ただ、オーストラリア映画ということもあってか、上映される劇場が、かなり限られます。千葉県内では、なんと一箇所だけ! 千葉市のT・ジョイ蘇我だけなのです。まあ、多少渋滞があっても、車で1時間見れば大丈夫なので、単独で行くことにしました。

 映画の内容自体は、ベトナム戦争を描いた映画です。ベトナム戦争をテーマにした映画って、久しぶりの気がします。“ロングタン”というところでのオーストラリア軍と南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)軍の戦いを史実に基づいて描いた作品ということです。史実に基づいた作品ということで、ある程度淡々とストーリーは展開していきますし、ハリウッド映画のようなド派手な演出はありません。

 この戦いが、ベトナム戦争でオーストラリア軍が1日で追った戦死者18名と負傷者24名という数字が、最悪の数字であるのにも関わらず、その功績が讃えられることなく50年が経過したとのことです。
 それでも、具体的な数字と亡くなられた方の氏名がきちんと記録として残っているのは、大したものだと思いました。エンドロールでは、出演した俳優とその俳優が演じた兵士の方本人の写真が並べて映し出され、最後には、追悼の意を込めて指名も流れました。

 オーストラリアにとって、ベトナム戦争がどんな意味を持ったのかはよくわかりません。でも、20歳そこそこの多くの若い命が失われたことは確かです。南半球から遠く離れた北半球での戦争。当時の世論はどうだったのだろうとか、気になるところではあります。
 映画の中で、アメリカ空軍に応援を養成する場面があるのですが、アメリカ軍をあまりいいようには表現していませんでした。もう少し有効的な関係なのかとも思っていましたが、そんなもんだったのかな、などとも思いました。

 どうでもいい話としては、主演のトラヴィス・フィメル/ハリー・スミス少佐役が、どうしても、松平健に似ていると思えて、気になって仕方ありませんでした。(笑) 公式HPの写真で見るとそうでもないんですが、作品を見るとそう思えちゃって・・・。

トラヴィス・フィメル/ハリー・スミス少佐役

 オーストラリアという国は、どことなく好きな国で、卒業旅行で、シドニー・メルボルン・ケアンズを巡ってきました。また行ってみたい国です。
 アメリカ以外の映画も、もっと上映されるようになるといいと思うのですが、興行的には難しいんだろうなぁとも思います。

 劇場が限られるので、ちょっと難しいかもしれませんが、見て損のない作品だと思います。
 公式サイトはこちら
http://dangerclose.ayapro.ne.jp/